牟婁新報(むろしんぽう)
   全33巻・補刊1・別冊1

 
 本紙は、1900(明治33)年4月、和歌山県田辺町(現在の田辺市)で創刊された。社長・主筆は毛利柴庵(もうり・さいあん)。柴庵は進歩的仏教徒であり、仏教界の革新を目指した『新仏教』にも関与しており、その関係から初期の社会主義者たちとの交流も深かった。
 そのため単なる一地方紙にとどまらず、県内は大石誠之助・成石平四郎、県外からは幸徳秋水・堺利彦・管野すが・荒畑寒村など、社会主義者をはじめとする革新思想者が多く論陣を張り、平民社落城後はほとんど唯一の初期社会主義の砦とも言うべき存在であった。
 また一方、環境保全・自然保護の問題にいちはやく取り組んだメディアでもあった。1906年からの「神社合祀問題」を宗教の自由の問題として、そして環境破壊の問題としてとりあげたが、このとき柴庵とともに健筆を揮ったのが後に世界的な民俗学者・博物学者としてその名を馳せる元祖エコロジスト・南方熊楠であった。


毛利 柴庵(もうり・さいあん 1871年〜1938年)

和歌山県新宮市に出生。幼名熊二郎。
 1884年、13歳で和歌山県田辺市の高山寺にて得度。僧名清雅。
 東京日々新聞の社員を経験し、高野山大学林を主席で卒業し高山寺住職となって、1900年4月『牟婁新聞』の主筆兼主宰となる。
 『牟婁新報』で論陣を張る傍ら1910年田辺町町議会議員、翌1911年には和歌山県県会議員に当選。
 1925年『牟婁新報』休刊、和歌山市に移り住み紀州毎日新聞社主となった。

【解説】  
門奈直樹(立教大学)
武内善信(和歌山市立博物館)

【推薦】
鶴見和子(上智大学名誉教授・社会学)
高嶋正明(和歌山大学経済学部教授)
中瀬喜陽(南方熊楠邸保存顕彰会理事)
堀切利高(平民社資料センター)
赤松徹真(龍谷大学文学部教授)

【概要】
第1期=B4判・上製・総約5300頁
第2期=B4・A4判・上製・総3,316頁

【配本】
 

第1期
配本回数 収録巻数 原本収録年次 本体価格 ISBN 配本年月
第1回 第1巻〜第3巻 明治33年4月〜34年8月
明治35年5月〜36年2月
明治36年4月〜10月
84,000円
4-8350-3069-9 2001年5月
第2回 第4巻〜第6巻 明治37年1月〜10月
明治38年1月〜39年7月
84,000円
4-8350-3073-7 2001年10月
第3回 第7巻〜第9巻 明治39年9月〜 41年9月
84,000円
4-8350-3077-X 2002年1月
第4回 第10巻〜第12巻 明治41年10月〜44年2月
84,000円
4-8350-3081-8 2002年5月
第5回 第13巻〜第15巻 明治44年3月〜45年12月
84,000円
4-8350-3085-0 2002年10月

第2期
配本回数 収録巻数 原本収録年次 本体価格 ISBN 配本年月
第6回 第16巻〜第17巻 大正2年1月〜3年6月
84,000円
4-8350-5132-7 2003年6月
第7回 第18巻〜第21巻 大正3年7月〜5年2月15日
84,000円
4-8350-5136-X 2003年10月
第8回 第22巻〜第24巻 大正5年2月16日〜12月
75,000円
4-8350-5140-4 2004年1月

第3期
配本回数 収録巻数 原本収録年次 本体価格 ISBN 配本年月
第9回 第25巻〜第27巻 大正6年1月〜6年12月
75,000円
4-8350-5145-9 2005年5月
第10回 第28巻〜第30巻 大正7年1月〜8年6月
84,000円
4-8350-5149-1 2005年10月
第11回 第31巻〜第33巻・別冊 大正8年7月〜12月
84,000円
4-8350-5153-X 2006年1月

補巻
☆復刻版第T期刊行後に発見された、復刻版未収録の20号分と、原紙が破損・汚損していた45号分を補う。
    収録 本体価格 ISBN 配本年月
全1巻   明治35年〜大正5年
28,000円
4-8350-5144-0 2004年7月

 
 

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