十五年戦争極秘資料集 補巻26 五・一五事件期憲兵司令部関係文書
【原本】
①五月一五日事件の概要(陸軍省、海軍省、司法省発表)昭和八年五月
②五月事件ニ関スル報告(通牒)憲兵司令官 昭和七年五月
③立憲政治ト政党政治 憲兵司令部 昭和七年五月
④思想判検事会同席上「反軍策動ニ就テ」講和案 憲兵司令部稲垣憲兵少佐 昭和八年一〇月
付 青年将校文書(仮題) 昭和六年後半
本資料集は憲兵司令部警務部長・藤井慎二旧蔵の関係文書5点を収録したもので、当時の憲兵隊の実像と事件の背景に迫る重要資料である。
①は事件発生の1年後に、陸軍省・海軍省・法務省が事件を公表した際の公表文で、
各新聞はこれをもとに事件を報じた。
②は事件の5日後に作成された「極秘」文書で、事件の呼称も「五月事件」となっている。
③は、当時の憲兵への「教育参考資料」ともいえるもので、取り締まりの必要上、標題のような知識を求めて作成された。
④は、事件そのものとの関連は薄いものの、その背後に広がる風潮を知ることが出来る。「付」の青年将校文書(仮題)は、 国家革新をめざす青年将校運動のマニュフェスト的文書で、国家を革新すべく財閥・政党・旧藩閥勢力共産勢力の排除が謳われている。
——————————————————————————–
北博昭 編・解説
B5判・上製・函入・352頁 定価13,200円(本体12,000+税10%)
ISBN978-4-8350-5655-5
’06年8月刊