近代日本盲教育史――当事者主体の教育とは何か――
【7月新刊!】
視覚障害をもつ当事者みずからが切り拓いた、視覚障害教育のあゆみを俯瞰するはじめての試み!
明治から戦後に至る盲教育の歴史を俯瞰し、全国71の盲(唖)学校の設立史を網羅した、はじめての本格的な盲教育史研究。当事者みずからが主体的に設立し、その教育に尽力したという大きな特徴をもつ盲教育。その黎明期から「盲学校及聾唖学校令」(1923年)を経て、戦後にいたるまでの変遷を詳述し、全国71校の創立経緯を紹介する網羅的な構成。全国の盲学校の設立状況のそれぞれを分類、具体的の紹介する本書は、視覚障害教育はもちろん、ひろく社会福祉、特別支援教育に関心をもつ方、そして、「当事者がみずからつくる教育」を模索するすべての人に開かれている。
著 者: 足立洋一郎
体 裁: A5判/上製/376頁
定 価: 3,740円(本体3,400円+税10%)
ISBN978-4-8350-8799-3 C3037
推 薦:
●「視覚障害教育への、なみなみならぬ熱意」伊藤友治――日本盲教育史研究会会長
全国71もの盲学校の創立過程を丹念に解き明かしていく姿勢からは、この教育にかける著者のなみなみならぬ熱意が伝わってくる。……本書を紐解くことにより、現在、視覚障害教育のおかれている危機的状況を打開することも、かならずできのではないか……視覚障害教育の研究者や教員だけでなく、福祉関係者及び一般の方々にも、ぜひ読んでいただきたい珠玉の一冊である。
●本書の内容
序 章 盲教育史はどう描かれてきたか…
第Ⅰ部 近代盲教育の誕生
第一章 当事者による設立と支援
第二章 近代盲・聾教育の創造―楽善会訓盲院と京都盲唖院
第Ⅱ部 全国各地で創立された盲(唖)学校
第三章 慈善事業期の盲(唖)学校設立
第四章 東海訓盲院と東海慈善会
第五章 日露戦争後における盲(唖)学校設立者・支援者、その多様性
第Ⅲ部 近代盲教育の確立
第六章 第二次盲唖教育令制定運動と盲人の組織化
第七章 昭和前期・戦時下における盲(唖)学校
終 章 当事者主体の盲教育とは何か
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