忘れられた無差別爆撃 検証・錦州爆撃
重慶、広島、そしてガザ空爆――
現代にまで至る都市空爆の原点!
世界初の無差別爆撃、錦州爆撃を中心に扱う初の単行本、ついに刊行!!
関東軍によって強行された世界初の都市無差別爆撃は、その後の日本と世界にどのような影響を与えたのか?
錦州爆撃とは?: 満州事変勃発から3週間後の1931年10月8日、関東軍航空隊が張学良の本拠地・錦州に侵入、75発の爆弾を投下。死者23名をはじめ、民間人に多大な被害を与えた。
ゲルニカ空爆より6年も早く実行された都市無差別爆撃でありながら、これまでほとんど着目されてこなかった錦州爆撃に光を当てる。
日本国内はもちろん、中国ほか各国の資料を用いてその反応を可能な限り分析し、錦州爆撃が与えた影響の大きさを多角的に検討する。
当時、検討されていた空戦法規・空爆規制に対して与えた影響についても詳述し、世界史的な側面からも位置付ける。
◎著者=纐纈 厚(明治大学国際武器移転史研究所客員研究員・山口大学名誉教授)
◎推薦=前田哲男(ジャーナリスト・軍事評論家)
◎体裁=四六判・上製・304頁
◎定価=3,300円(本体3,000円+税10%)
ISBN978-4-8350-8831-0 C0021
◎刊行=2024年11月
〈目次〉
はじめに――日本軍初の都市無差別爆撃 |
第一章 錦州爆撃への道程―日本敗戦のはじまり― |
1 事変に突き進む―逸る関東軍― |
2 満蒙問題の解決を急ぐ―関東軍と陸軍中央の確執― |
3 独走か、並走か―日本孤立への道― |
第ニ章 錦州無差別爆撃―空爆に踏み切る― |
1 空爆への道―躊躇する者たち― |
2 出撃の経緯―周到な作戦計画― |
第三章 爆撃の衝撃―日本孤立の深淵― |
1 日本国内への情報伝達 |
2 拡がる衝撃―無差別爆撃の実態― |
3 無差別爆撃の先鞭をつける |
第四章 深まる日中対立―遠のく和平への道― |
1 動揺する日本政府 |
2 反発を強める中国 |
第五章 都市無差別爆撃への着目 |
1 空爆規制問題 |
2 無差別爆撃正当化の論理 |
終章 引き継がれる錦州無差別爆撃史―記憶と忘却の狭間で― |
あとがき |
参考史料・文献・論文・記事等一覧 |
人名索引 |