不二出版

書籍紹介

方言札の近現代史―沖縄言語教育の研究―

なぜ沖縄では標準語教育が苛烈に進展してしまったのか――

「方言」〈しまくとぅば〉を話したら罰せられる……

近現代沖縄における標準語教育の苛烈さを示す方言札は、いつから/いつまで利用され、実態はどのようなものであったか?

沖縄における綴方教育の実践の歴史と合わせて紐解くことで、戦前の皇民化教育から復帰後の1970年代まで、沖縄における言語教育の歴史を通観する!

体裁=A5判・上製・総314頁

著=梶村光郎(琉球大学名誉教授)

定価=7,150円(本体6,500円+税10%)

ISBN978-4-8350-8833-4 C3037 ¥6500E

2025年5月刊行

本書目次

本書の関心と課題/本書の構成

第一章 沖縄における方言札の出現

はじめに/一九一一年度以前の方言札の出現の状況 /一九一一年度以前に出現した方言札の実態/一九一一年度以前の方言札の事例が意味するもの/おわりに

第二章 篠原一二の標準語教育実践

はじめに/篠原一二の標準語教育実践の背景/篠原一二の標準語教育実践/篠原一二の標準語教育実践の意味/おわりに

第三章 明治期沖縄の綴方教育と標準語励行

はじめに/「同化」=「皇民化」を目的とする沖縄の同化政策/同化政策と地域語禁止・標準語強制の教育の実態/綴方教育における地域語の禁止・標準語の強制/おわりに

第四章 大正期沖縄の綴方教育と標準語励行

はじめに/大正期の沖縄の標準語教育をめぐる言説/大正期の沖縄の標準語教育実践/大正期沖縄の綴方と標準語教育/おわりに

第五章 岩崎卓爾の地域語・標準語併用の教育文化活動

はじめに/岩崎卓爾と彼の言語観/教育文化活動における言語教育的側面/岩崎の言語教育活動の意味/おわりに

第六章 『児童の産業』掲載の綴方作品の傾向と教育的意味

はじめに/児童新聞『児童の産業』の発行と子どもの作品の掲載状況/子どもの作品と『児童の産業』の評価/子どもの作品の特徴とそのことが意味するもの/おわりに

第七章 昭和初期の標準語励行と綴方教育

はじめに/標準語励行をめぐる沖縄県内の動向/沖縄における標準語励行と綴方教育/学校文集における標準語励行と方言/おわりに

第八章 方言札体験調査から見た戦前・戦後の標準語励行

はじめに/「「方言札」体験調査表」を利用した聞き取り調査/「「方言札」体験調査表」から見える方言札とその分布/方言札の実態/方言使用に対する指導/おわりに

第九章 戦後沖縄の作文教育運動

はじめに/生活綴方教育との出会い/沖縄作文教育協議会の結成/沖縄作文教育協議会の活動と性格/おわりに

補章 ベトナムの少数民族教育と教員養成―タイグェン師範大学の場合―

はじめに/タイグェン師範大学の少数民族対策の背景/タイグェン師範大学の少数民族対策/タイグェン師範大学の少数民族対策の特徴とその意味/おわりに

終章 

話し言葉による言語活動の教育と標準語励行/書き言葉による言語活動の教育と標準語励行/「普通語」をめぐる沖縄と「中央」

あとがき

沖縄言語教育関係年表

人名索引

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